「ウマ娘」に登場するレジェンドキャラクターの一人であるウオッカ。
彼女は、実際の競走馬としても、その圧倒的なレース内容で多くの人々を魅了しています。
この記事では、数々の偉業を成し遂げたウオッカの戦績や性格やエピソードについて紹介します。
ウオッカのプロフィール
競走馬のウオッカの輝かしい功績を紹介する前に、まずはウオッカの基本情報について解説します。
生い立ち
ウオッカは、2004年4月4日に北海道静内町のカントリー牧場で生まれ、そのまま同牧場で競走馬として育てられました。
当時の牧場では牝馬が軽視傾向にあり、女の子として産まれたウオッカも当初は注目されることはありませんでした。
しかし、2006年の10月の初陣で見事勝利し、ウオッカの競走馬としての素質を見せつけています。
両親
ウオッカの両親は父がタニノギムレット、母がタニノシスターです。
タニノギムレットは2002年の東京優駿優勝馬で、ウマ娘では眼帯スタイルとイケメンキャラとして登場しました。
一方、母のタニノシスターはGI競走では輝く功績を残すことはできませんでしたが、JRA競走において5勝を挙げるなど、重賞でも活躍しています。
性格
ウオッカは競走馬として非常に勝負根性が強く、競走中には力強い走りを見せてくれた馬です。
また、写真を撮られるのが好きで、立ち写真もピタッととまる社交的な性格も持ち合わせています。
ただし、レース後に写真を撮ってもらえないと怒ってしまうこともしばしば。
父のタニノギムレットと同じく後ろに近づかれるのを嫌い、後ろに立った相手を蹴りに行くなど気性の荒さも垣間見えます。
とはいえ、人懐っこく周りにも愛想を振りまくウオッカは、多くの競馬ファンからも愛されています。負けず嫌いで前向きな性格のウオッカ。
アニメでもそんなウオッカの他の馬には負けたくない気持ちの強さがわかる姿が度々描かれています。
名前の由来
ウオッカの名前は、ロシア語でウォッカを意味する「Vodka」から取られています。
ウオッカの父が「ギムレット」がジンベースのお酒だったため、馬主の谷水雄三氏は「ジン」と名付けようと考えました。
しかし、語呂の悪さから自ら却下し、ジンと同程度の度数を持っているお酒「ウオッカ」を採用したことが由来となっています。
ギムレットより度数の高いお酒を採用したのには、父より強くあれという希望が込められています。
また、冠名である「タニノ」をつけなかったのもお酒の名前がきっかけ。馬主の「“タニノ”で割ってどうすんねん!」の声から、ストレートで飲むことでより強くなるようにと想いが込められています。
また、谷水雄三氏は、ロシアのウォッカをイメージしたオリジナルのラベルデザインも考案し、レースでの応援グッズとして販売されるなど、馬に対する熱い思い入れを示しました。
同世代のウマ娘たち
ウオッカと同世代のウマ娘たちを紹介します。
アストンマーチャン
2004年に社台ファームで生まれた鹿毛の牝馬で、父はアドマイヤコジーン、母はラスリングカプス、母の父はWoodmanという血統です。
馬主は戸佐眞弓氏で、調教師は石坂正調教師が担当しています。
競走成績は11戦5勝で、GIのスプリンターズステークスやJpnIIのフィリーズレビューなどを制しています。
2008年4月21日、急性心不全により亡くなりましたが、生涯賞金2億4899万7000円を獲得しました
ダイワスカーレット
ダイワスカーレットは、2004年に社台ファームで生まれたサラブレッドの牝馬で、父はアグネスタキオン、母はスカーレットブーケ。
育成も社台ファームで行われ、馬主は大城敬三氏、調教師は松田国英氏です。
2007年には桜花賞と秋華賞、そしてGIのエリザベス女王杯を制し、JRA賞最優秀3歳牝馬、最優秀父内国産馬に輝いています。
2008年には有馬記念、産経大阪杯を制覇し、WTRのレーティングではL119という高い評価を受けています。
競走成績は12戦8勝、獲得賞金は7億8668万5000円であった。
また、ウマ娘では「ウオダス」として2人のライバル関係を示唆する描写が多いです。
実際、直接対決では素晴らしい攻防をみせており、2頭の物語には胸アツなドラマがたくさんあります。
ぜひ、ウオッカと合わせてダイワスカーレットについても読んでくださいね。
ウオッカの戦績
ウオッカの戦歴は以下のとおりです。
2006年
・阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)- 優勝
2007年
・チューリップ賞(GIII)- 優勝
・秋華賞(GI)- 3着
・桜花賞(G1) -2着
・日本ダービー(G1) -1着
・ジャパンC(G1) -4着
・有馬記念(G1) -11着
2008年
・ドバイデューティーフリー(GⅠ)- 4着
・安田記念(GI)- 優勝
・天皇賞(秋)(GI)- 優勝
・京都記念(G2) -6着
・ヴィクトリアM(G1) -2着
・毎日王冠(G2) -2着
・ジャパンC(G1) -3着
2009年
・ドバイデューティーフリー(GⅠ)- 4着
・ヴィクトリアマイル(GI)- 優勝
・安田記念(GI)- 優勝
・ジャパンカップ(GI)- 優勝
・ジェベルハッタ(G2) -5着
・毎日王冠(G2) -2着
・天皇賞(秋)(G1) -3着
2010年
・マクトゥームチャレンジラウンド3(GⅡ)- 8着
総合戦績
・中央競馬 22戦10勝(GI 7勝)- 獲得賞金 13億487万6000円
・ドバイ競馬 4戦0勝- 獲得賞金 2868万9800円
獲得タイトル
・最優秀2歳牝馬(2006年)
・JRA賞特別賞(2007年)
・最優秀4歳以上牝馬(2008年・2009年)
・JRA賞年度代表馬(2008年・2009年)
・顕彰馬(2011年選出)
・関西競馬記者クラブ賞(2007年・2009年)
WTRR(世界競走馬の格付け)
・2007年 – L117
・2008年 – M120
・2009年 – M120
ウオッカの特徴
魅力あふれる馬・ウオッカ。こちらではそんなウオッカを語る上では欠かせないエピソードを紹介します。
ダイワスカーレットとのライバル関係
ウオッカとダイワスカーレットは、2007年のチューリップ賞で初めて対戦して以来、2頭の競争が注目されました。
2頭は2008年の天皇賞(秋)でも対戦し、ウオッカが優勝しました。
2人のライバル関係についてはダイワスカーレットの記事でも紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてくださいね。
64年ぶりの牝馬優勝
ウオッカは2006年の阪神ジュベナイルフィリーズでGI初勝利を挙げ、2007年の桜花賞2着、秋華賞3着とGIレースでまずまずの結果を残しています。
そして、2007年の東京優駿(日本ダービー)に出走し、史上3頭目の牝馬ダービー制覇を果たしました。
また、東京競馬場での牝馬優勝は、1943年のクリフジ以来、64年ぶりの快挙でした。
凱旋門賞への挑戦
ウオッカは、2007年に凱旋門賞に出走することが発表され、大きな話題となりました。
しかし、遠征前に右後脚に蹄球炎を発症したため、出走を断念しました。
凱旋門賞断念後のその年は日本でGI競走に4回出走しましたが、秋華賞3着、ジャパンC4着、有馬記念11着、エリザベス女王杯は出走取消と、GI競走4連敗という結果に終わりました。
競走中に鼻出血…そして引退
ウオッカは3年連続での優勝を狙いましたが、ドバイWCの前哨戦となるマクトゥームチャレンジラウンド3の競走した後にレース中の鼻出血が判明します。
そのため目標であったドバイWCを断念し帰国することとなりました。
2009年のジャパンC後にレース中の鼻出血が判明しており、今レースの鼻出血で再発してしまったのです。
元々ドバイWC後に引退を予定していたウオッカでしたが、この鼻出血により引退を前倒しすることとなりました。
引退時点で、ウオッカはGI競走で7勝を挙げ、JRA賞年度代表馬に2回選出されています。
まとめ
ウオッカは、天皇賞(秋)、ジャパンカップなど多くのGI競走を制覇し、JRA賞年度代表馬を2回受賞するなど、日本競馬界を代表する名馬です。
また、天皇賞(秋)ではライバルとしてお馴染みのダイワスカーレットとの激しいレース展開に胸を熱くしたファンは多いでしょう。
引退後は繁殖牝馬として活躍し、その子孫も競馬界で活躍したウオッカの子孫たちの活躍にも期待しましょう。
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